2009年5月5日に引越しました
Posted by tanakaakiko - 2009.10.02,Fri
身体としての書物
今福龍太
2009年 東京外国語大学出版社 p288
『全-世界論』の原題はTraité du Tout-Monde。グリッサンの詩学にあって、このモンドmondeという言葉は、ほとんど唯一と言ってもいい至高の語彙です。モンドというのは「世界」という意味のほかに、「集合としての人々、群集としての人々」という意味があります。トゥール・モンドTout le Mondeといえば「すべての人」「ここにいるみんな」という意味。フランスには「ル・モンド」という代表的な新聞がありますが、「世界」という言葉でふつうわれわれが思い浮かべるのは地図とか地球儀、オリンピックやワールドカップといった世界を可視化して固定化する装置を通じて作り出される世界イメージのことです。しかしグリッサンにとってのモンドとは、予測不可能で定義しえない運動のようなもの、群集のあらゆる声のざわめきのようなもっと混沌とした生々しいものです。彼に倣って言えば「それは教条主義的な多様主義とは無縁の、固定化された枠組みのないあるがままに放置された多様性で、真に流動的でダイナミックな存在」、ということになります。
今福龍太
2009年 東京外国語大学出版社 p288
『全-世界論』の原題はTraité du Tout-Monde。グリッサンの詩学にあって、このモンドmondeという言葉は、ほとんど唯一と言ってもいい至高の語彙です。モンドというのは「世界」という意味のほかに、「集合としての人々、群集としての人々」という意味があります。トゥール・モンドTout le Mondeといえば「すべての人」「ここにいるみんな」という意味。フランスには「ル・モンド」という代表的な新聞がありますが、「世界」という言葉でふつうわれわれが思い浮かべるのは地図とか地球儀、オリンピックやワールドカップといった世界を可視化して固定化する装置を通じて作り出される世界イメージのことです。しかしグリッサンにとってのモンドとは、予測不可能で定義しえない運動のようなもの、群集のあらゆる声のざわめきのようなもっと混沌とした生々しいものです。彼に倣って言えば「それは教条主義的な多様主義とは無縁の、固定化された枠組みのないあるがままに放置された多様性で、真に流動的でダイナミックな存在」、ということになります。
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