カプーアといえば宇宙空間と思っていたが最近は身体性に向かっているようだ。
最新の作品はなんと福島で発表されたようだが(とても良さそう)そうとは知らず
ベルサイユで見た。
当然直接制作には関わることはないだろうがすごい仕事量だ。
ベルサイユというところは宮殿に入らなければタダなのだった。
展示作品は5点ほどだが庭園はひろい。ひたすら歩く。
一番よかったのは庭園中央に突然現れた小さな鳴門。
振動と音を感じながら鳴門を見るのは飽きることがない。
しかしこれは宇宙空間の変形ともとれる。
そして宇宙を映す鏡の作品も。
庭園の端っこではキューブでありながら
巨大なヴァギナのような作品。
中に入るとゴムの美しい造形だが。
宮殿の外のスペースでは蝋を使ったインスタレーション
歴史や政治性を感じる。カプーアが今の世界情勢に肉迫してきている印象。
こわいと同時に真摯な作品だと思う。
ダーティ・コーナーという題名の最も大きな作品。
同行した友人の話では以前別な場所で見たときには
中に入れる仕様だったというが立ち入り禁止になっている。
しかも作品として非常に違和感のある金箔に覆われている。
一見して悪趣味だと思ったが聞くところによると
落書きにあったらしい。
作家の意思により金箔で覆うことにより落書きごと保存したらしいが、
コメントを見るかぎりでは悪意のある書き込みだったらしい。
作家の心情を思うと辛い。
パブリックスペースに展示するということは
見る者の意識も同時に問われることなんだと痛感する。
Château de Versailles
9th June–1st November 2012
http://anishkapoor.com/1032/Ch%C3%A2teau-de-Versailles.html
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