先日、グループ展示が終わった。
今回の展覧会は前半までが不自然なまでに動揺することが連続して起き、
後半は全ての苦労が収束した流れとなった。
全てを語る必要はないが、一つのエピソード。
搬入前日、戯れにインコをケージから放した。
すると、いつもならば飛び上がってテレビ台に括り付けた枝にとまりに行くのに
ひゅるひゅると床に落ちた。
はじめ床に餌でもこぼれて、拾って食べようとしているのかと思った。
指に止まらせて再び飛ばすと、やはり床にひゅるひゅると着地。
なんかへんだな。
本人(鳥)も異変を感じたのか、片方の羽根をしきりに気にしている。
挙句の果てにケージに戻って首を後ろにして寝てしまった。
ショックを受けているのか?
よく見ると風切羽根が片側だけまとめて抜けている。
所謂、風切羽根を切って飛べなくした鳥の状態だ。
飛べない原因は分かったが、飛翔する生き物としてそれは正常なのだろうか。
疑問に思いネットを検索したところ、PBFDというウイルス性疾患の可能性に
辿り着いてしまった。
『羽毛脱落から始まり、免疫不全に陥る不治の病』と書いてある。
「どうしよう!搬入前日なのに!!」
展示が始まると余計動きが取れなくなる。仕方がないので夕方6時に鳥の医者に連れていく。
抜けた羽根を見せたところ、医師は「この子は大丈夫ですよ。
何かびっくりすることがあったかな?」
と言う。
「鳥は捕食される生き物なので、捕まりそうになるとそこの羽根だけ
ごそっと抜ける性質を持っている」
との説明を受ける。トカゲの尻尾切りのようなものか。
2羽のインコはいつも隣のケージにいるのだが、誰も気付かないうちに、
1羽だけが何か恐ろしい思いをしたということらしかった。
謎である。
展示が始まった後、友人と飲んでいてこの話をしたところ、友人が「そーそー」と実体験を語ってくれた。
子どもの頃、近所のおばさんの家に遊びに行き、おばさんが席を外しているときに
飼われているインコの尻尾を掴んだところ、やはり尻尾がごっそり抜けてしまったらしい。
飼い主は戻ってきて尻尾のない鳥の姿に驚愕していたが、
友人は無言のまま帰ってきたとのことである。
一つの収束。
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