公園にはカルガモもいる。
じっとしていると、よちよち近づいてくる。
この人たちはいつも大変大人しくかわいらしい様子である。
ところで私は過去、合鴨を育てたことがある。
大学の卒業生が記念として研究室に寄贈した雌雄のヒナをベビーシッターとして育成したのだ。構内に住んでいる猫に食われないくらい大きくしてから最終的には庭の池に放すのだが独立後、その人たちは大変凶暴な鴨になった。
とにかく人間が池に近づくと駆け寄ってきて(あるいは飛沫を飛ばしながら全速力で泳いできて)つつきまわす。手を出すと噛みまくる。容赦ないのでとても痛い。育てた私ですら池の傍を通るときは走っていたほどである。
唯一、研究室の主任教授だけが「あれは愛情表現だよー。人間を親だと思ってるんだよー」とのたもうていたが、そうは言っても近づいただけで痛い目に合うので奇襲攻撃を掛けられているようにしか思えず、学生も捕まえて遠くに飛ばすなどの反撃に出たり、池ではバトルが繰り広げられていたようだ。私には高校の時にも学校で飼っていた白色レグホンに痛い目にあっており「ま、子供時代はかわいかったが鴨も凶暴なもんなんだな」「猫に食われなくてよろしい」くらいに考えていた。
しかしこないだテレビで見てしまった。
埼玉の公園で散歩中しているひとりのおじさんを同じように追い掛け回しつつきまくる白鳥を。
その白鳥は「なついていてかわいい!」「なぜこの人だけなんでしょう!くやしい!」と評価されてい、おじさんも「いやーこうなるとかわいいね」といっていた。
がーん。
教授の言っていたことは正しかったのだろうか。
本当に親だと思って慕ってきていたのだろうか(タマゴから孵った瞬間には立ち会ってないが)。
合鴨。。15年も前のことなので、もう死んでしまったか。。。
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