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2009年5月5日に引越しました
Posted by tanakaakiko - 2019.09.22,Sun

こんかいで3回目の訪問となるあいちトリエンナーレである。
企画の一部である「表現の不自由展」が、オープンから3日目で閉鎖となった事態に
戸惑いながらも、とにかく行くだけ行こうと名古屋に向かう。
「表現の不自由展」閉鎖への抗議のため、いくつかの作品が
見られなくなっており、ボリュームは少し減ってしまった印象はあるが、
結論から言えば今までになく輪郭のはっきりした展覧会で良かったと思う。

私は「不自由展」を目にすることができなかったが、仮に見ることができたとしても
この展示だけが特別だという印象は持たなかったのではないかと推測した。
現代美術(というか全てのアート)は作家の時代背景を担うものであり
社会の光や蔭が映り込んでいるものだ。
そのような側面に意識を向けた作品の展示が多かった。


特に印象に残った作家
・モニカ・メイヤー《The Clothesline》
 「女性として差別されていると感じたことはありますか?
 それはどのようなものですか?」
 「あなたや、あなたの身近でセクハラ・性暴力がありましたか?
  それはどのようなものでしたか?」
 「セクハラ・性暴力を無くすために何をしましたか?
 これから、何をしますか?」
 「これまでに受けたセクハラ・性暴力に対して本当はどうしたかったですか?」
 これらの質問に対し、参加者がメモを作成し、骨組みに吊るしていくというもの。
 身に覚えのない女性はいないのではないかな。
 表現の不自由展閉鎖の抗議のため、メモ、過去の参加者のメモは撤去されており、
 破られたメモ用紙が散乱していた。
 ここで破られたのは名もない女性達の声であり、心が痛む。
  問題となった展示に含まれた慰安婦像もその一つであることは疑う余地もない。
 書きたい人達の口も封じられる。
 骨組みだけの展示がここまで強い印象を持つとは思わなかった。

毒山凡太朗《君之代》
 台湾の高齢者への日本についてのインタビュービデオ。
 「知っているよ。軍歌だろ?」と浪々と君が代を歌い、当時の思い出を
 達者な日本語で喋る高齢者に驚く。
 そんなに日本語を染みつかせてしまい、しかもそのことを知らない自分たちと
 自分の国を恥ずかしく思う。

タリン・サイモン
《隠されているものと見慣れぬものによるアメリカの目録》
《公文書業務と資本の意思》
 クールなこれぞドキュメンタリーという鋭い内容の写真。
 パレスチナ問題などの重要会議で装飾に使われた花々の写真など
 撮影された写真の美しさとその正体の恐ろしさの差異が大きい。
 もっと身近で恐ろしい写真もある。

高嶺格
《反歌:見上げたる 空を悲しもその色に 染まり果てにき 我ならぬまで》
 プールの底を立ち上げて巨大な壁とするもの。
 それまで床だったものが壁となり立ちはだかること自体が
 価値の転換が目の前で展開されるすごいインパクト。

袁廣鳴《日常演習》
 初めはドローンで撮った街中を加工したかと思ったが違った。
 怖かった。これもすごいインパクト。

おすすめです。

あいちトリエンナーレ「情の時代」
会期:2019年8月1日[木]–10月14日[月・祝]
https://aichitriennale.jp/index.html

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