会場はかんらん舎。
かんらん舎は去年見た横浜トリエンナーレで知った。
そうそうたるアーティストを日本に紹介した有名な画廊らしい。
行ってみたらとても小さな画廊で、迷ってしまった。
しかし企画内容は去年の横トリでやっていた、
詩人たちの戦意を鼓舞するテキストを(ガラス越しではなく)
実際に閲覧できるという充実した内容だ。
これに加え、陸軍美術協会が手がけた「大東亜戦争 陸軍作戦記録画集」を
解説の地図付きで一覧できるというもの。
これがびっくり。
藤田嗣治の戦争画は近代美術館の展覧会やテレビでも紹介したことがあり、
理事長の立場で描いていたことは知っていたが、いや、あるいは戦争の残虐性を
後世に残そうとして描いていたのだろうと勝手に解釈していた。
(またテレビ番組ではそのような報道内容だったように思える)
これがどうやら隠れ反戦絵画ではなかったらしい。
以下はARTiTの記事から抜粋。
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今日のため、四十余年の歳月を私はすごして来たと明白に言ひきることが出来るのである。
今日、腕を揮つて後世に残すべき記録画の御用をつとめ得ることの出来た光栄を私はつくづく
有難く感じてゐるのである。絵画が直接御国に役立つと言ふことは何といふ果報なことであらう。
私は右の腕は御国に捧げた気持でゐる。(「解説 あとがき」)
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ちなみにこの画集には私の好きな川端龍子や山口蓬春も入っている。
人間が如何に環境に左右され易い生き物なのかをあからさまにした展覧会。、
また、戦後もそれを隠蔽し続け、都合のいいことだけを信じ続ける私たちの愚かさを
(画家も詩人も戦前戦後ともに非常にポピュラーな作家なだけに)
目の前に突きつけられたかんじでショックです!
私たちは隠蔽している。それを自覚せよ!という展覧会。
2015年8月25日(火)-9月19日(土)
かんらん舎
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