今年は地方芸術祭の当たり年で、自分で認識しているだけで
瀬戸内、愛知、琵琶湖、埼玉、秋田、茨城と6か所で開催されていた。
全部はとても回れないので総合ディレクターが南條史生なら
まあ間違いなかろうと1泊2日で茨城へ。
県北ならば茨城の半分だから何とかなるだろうと思ったが甘かった。
パスポートのスタンプは1/3しか押せていない。
しかし既に地方芸術祭は越後妻有で実績を作っていることもあり
地図や道路上の表示は間違いなく、地域は広いが分かりにくい場所でも
近くに行けば確実に辿り着けるように、また渋滞区間が表示されているなど
効率よく回れるような配慮は感じた。
(越後妻有では地図や道路標示が間違っていることがあり
ドライバーとナビゲーターが必ず衝突する。メンバーの問題?)
以下心に留めておきたい作品などを記載する。
ザドック・ベン=デイヴィッドの「ブラックフィールド」は最も心を動かされた作品。
広い体育館一杯に配置された黒い木のシルエットは広大な雪国を思わせるが
それが反転すると色とりどりの世界になると知る瞬間は感動的。
小さな植物の切り抜きはそれ自体がそれぞれいとおしく感じられ
時間が許す限りその場に居続けたいと思わせる作品。
この作品に対面できただけでも来たかいがあったと思った。
落合陽一のある一定の地点だけで聞こえる声の作品(作品名失念)は独特な視点が面白かった。
ラジコンポートはわざわざ山奥までぐねぐねと道を上って行って、
ただ広場(近隣のラジコン愛好家の活動場所)に到着するというのも楽しかったが
係になっているおじいさんはもっと味があった。
「これが芸術って言われても私には分からんですよ。山が3次元でそこに2次元をとか言われたんですがね。
でも高倉健の幸せの黄色いハンカチと言われたら分かった。黄色じゃなくて黄緑なんだそうですよ」
茨城県民の率直な意見を聞けたこともこういう展覧会ならではの貴重な体験である。
(作品はピーター・フェルメーシュ。風景に違和感を挿入するという場所に見合った秀作)
町にある建物も素晴らしかった。
旧オーベルジーヌもこのままにしておくのは勿体ないくらい素敵な建物だが
何とかならないものだろうか。
袋田の滝などは近くまで行ったものの余りもに渋滞が激しく引き返す。
それ以降渋滞エリアの作品は全て避けて通ったものだ。
とここまで書いて、返す返すも全部回りたかったな…
KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭
2016年9月17日(土)~11月20日(日)
https://kenpoku-art.jp/
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