友人の誘いで絵の具メーカー「クサカベ」の工場見学へ。
クサカベは、油と水彩絵の具として有名なメーカーなのだが、
電車で見に行ける距離に工場がある。
誘ってくれた友人は普段、日本画絵の具を使っているが、
最近絵の具の原料を調べることに凝っていて、
原料は日本画の絵の具でも共通項が多く、
そのため友人の個展にたまたま用事で訪れたクサカベの人を質問攻めにしてしまい
「そんなに知りたいなら工場見学に来てください」と言われたとのことであった。
和光市の住宅地にぽつんとある小さな工場では十数名が働いている。
思ったより小規模だが、他に2つ工場があるらしい。
出迎えてくれた人は友人が質問責めにしたおじさんで蓋を開けてみれば副社長であった。
「勉強熱心な作家さんなのでちゃんと案内するように」とのお達しで
(私は別に熱心じゃないのだが)技術開発の人が案内してくださる。
この工場では開発と生産を行っている。
絵の具がどのようにできるかを簡単に言えば
顔料屋から仕入れた顔料を
アラビアゴムや、オイルなど異なるメディウムと混ぜることにより
水彩絵の具(アラピアゴム)や油絵の具(オイル)となるのである。
生産量は水彩と油で言えば圧倒的に油絵の具のほうが多く、
機械は同じものを使うそうだが、油絵の具の生産に使う割合が高いそうである。
私たちの訪れた日にはやはり油絵の具を作っていた。
工場での大まかな工程としてはこんなかんじ。
(1)メディウムの調合、顔料の調合
(2)調合された顔料とメディウムを練りこむ
(3)練った絵の具の粒子を揃える
(4)品質検査 色味や粘りや粒子
(5)チューブに入れる
(6)ラベルを貼る、製品番号を印字する
(7)箱詰め、出荷
工場見学の後、どのような絵の具が作るのが難しくて
どのような絵の具の退色が激しいのか、
素材はどの国で生産しているのか等、質疑応答形式で教えてもらう。
それらの話の中から、私の場合、薄々気付いていた課題が明らかになる(ううう)。
最後に実習でウルトラマリンブルーの水彩絵の具を作ってお土産に貰って帰る。
これら全部で4時間の案内であった。
クサカベさん、どうもありがとう。
最後に1:クサカベでは近年「アキーラ」というなかなか乾かない絵の具を開発したとのこと。
アクリルとも水彩とも油絵の具とも違うんだそうですが
聞いたかんじでは油の代替と位置付けたほうがよさそう。
臭くない油というか。ご興味のある方はお試しあれ。
最後に2:日本画絵の具は京都でしか見ることが出来なさそうな印象で私は未だ見たことがない。
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