交差点で自転車を降り、信号が変わるのを待っていたところ隣に立ったおばあさんに声を掛けられた。
「渡るの手伝ってくれない?」と。
小さくてよぼよぼした方だったので信号が変わるまでに渡りきれるか、転んだりしないかと心配なのだろう。
しかし私も自転車である。
片手自転車片手おばあさんというアンバランスな状態で信号を渡る。
しかも渡り終わった後、手を離してくれない。不思議なことだ。「あなたどちらへ行くの?」と聞いてくる。
そこから続く狭い歩道を二人と自転車が並んで進む。危ないし、他の歩行者は通れない。
途中親子連れとすれ違ったが彼らが車道に出てよけてくれた。
まるで私の配慮がないかのように感じる。
そんなことに頓着なく、ネコが通ると「今のネコよね?」とか言ってくる。
ご近所らしい人が「あら」と声を掛けてくる。
しかし私が「どちらへお住まいですか?」と聞いても「あっち」と指差すばかりで明確な応えは無い。
うーむ。何に巻き込まれたのか私。
結局付近の団地のおばあさんの棟の前まで送っていき
「ではここで。さようなら」と切り出して改めてプールへと向かった。
横断歩道だけならよかったんだけど、これはホント。
どーも最近微熱が続いているのである。なので医者に診てもらうことにした。
徒歩2分の近所の内科はネットで受付できるため待ち時間がかからない。
15分程度の待ち時間になってから出向き、受付に置いてある漫画を読む。
ここは漫画の入れ替えが比較的頻繁で内容も豊かな診療所なのである。
そしてなんとなく手に取った「夕凪の街桜の国」の「夕凪の街」まで読んで打ちのめされる。
原爆投下後10年を経た広島の市民を描いた臨場感あふれる短編。
診察後、うるうるしながら採尿採血待ち。
会計を待ちながら「桜の国」を読もうとするが途中で名前を呼ばれてしまった。
帰宅してテレビをつけると、おりしも終戦記念日であった。
ところでいつも広島原爆忌から終戦記念日まで、戦争の特集が展開され、見ていたのだが
今年は番組が減ったような気がしない?気のせいか?
ようやく暖かくなってきたのでそのTシャツを来て職場に行ったのである。
そしたら褒められた。
「そのヤギのTシャツかわいいですね」
「へへ、石垣に行った時、買ったんです」
「石垣島ではヤギが名物なんですか?」
「乳を飲むとか?」
「乳じゃなくて食べるんですよ」
と言った瞬間、会話の相手がとても悲しい表情になったのを見逃さなかった。
しかし他の人が参入。
「えー、ヤギっておいしいんですか?」
クセはあるけど私はとてもおいしいと思いました。と続けざるを得なかった。
見た目も肉も乳も。
さして綺麗な川ではないが葦がよく茂り、カワセミや鷺や鴨や亀が住んでいる。
ある日散歩していると川べりに佇んでいた初老の男性が「ヘビ見たことありますか?」
と声を掛けられた。「は?ヘビですか?」と聞き返すと「あそこにいるんです」と向こう岸を指差す。
見れば川沿いに生えている低木にゴム紐のようなものがかかっている。
「あれ、ホースかなんかじゃないんですか?」というと
「1メートルくらいのヘビなんです」とのこと。
動かないから分からん。しかし日光浴をしているヘビだったらしい。
この辺にはよくいるとのこと。
また暫くして、川沿いを自転車で走っているとヘビが川を泳いでわたっている姿を発見。
ちょっと気持ち良さそう。
確かに1メートルほどであった。大きさや色からしてアオダイショウか?
年末から年始にかけては八重山と沖縄に行ってきた。
そして人生2回目の西表島に上陸だ。
今回は石垣島からの日帰りでカンピレーの滝のトレッキングが目的。
元日だからこそか、レンタカーは埋まり気味で
石垣フェリーターミナルから予約できるヤマネコレンタカーは売り切れで
当日、西表に着いてから観光案内所にもらったレンタカー会社のリストに電話攻勢を掛けることになり、
4社目でようやくゲット。
おじさんが一人でやっているためか、性格のためか、車体の事前のキズの確認もなく、
車の返却時間には店にいないかもしれないので
満タンにしたら港に置いて帰っていいと言われる。ラフなことこのうえない。
西表といえばヤマネコである。
レンタカー屋の壁にも「ネコを轢かないように」「万が一轢いてしまっても
罰せられることはありません」などと張り紙があり、
道路にはいたるところに「ヤマネコ注意」の看板がある。
また出没が頻繁な箇所にはスピード抑制のガタガタ(名前がわからん)と道路にも「ネコ注意」と書いてある。
昔、私が滞在したときは2週間もいたのに一回も見なかった。
特別天然記念物だし(後で調べてみたら100頭程度しかいないらしい)
そんなもんだろうと思っていたのでこの丁寧さはすごいと思った。
しかし見てしまったか?
Yが運転し、私はネコ看板を撮影していたところ、出没多発地域で
二人同時に「あれっ」と声があがった。
路肩の茂みに入っていくネコのおしりとカラスがある。
そのおしりは看板でみたヤマネコに似ている。
一瞬のことだったので「あれ、そうだよね」「いや、まさか」などと
車内でやいのやいの言いながら既に確認する術はなし。
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