解剖図や大変美しい義足からハーストの近作まで幅広いセレクトの展覧会である。
これは企画が大変そうだなー
象牙でできた、解剖人形が超チャーミングで珍しく所有欲が芽生える。
記憶に残ったのはこちら
ヴァルター・シェルス「ライフ・ビフォア・デス」
おそらくこれにインパクトを受けた人は多いのではないだろうか。
一般の人の亡くなる前の姿と亡くなった直後の姿の写真を並べたもの、
そしてその人がどんな人物だったかを説明するテキストで出来ている。
単純な作品だが、片方の写真、あるいは片方テーマに注目する作品とは
迫ってくるものがまるで違い、感情が揺さぶられる。
そういう意味で最小のアイテムで最大の効果を引き出すことに成功していると思う。
ブラザース・クエイ「ファントム・ミュージアム」
サー・ヘンリー・ウエルカムの(たしか依頼で作ったと書いてあったような)コレクションである
人体模型や医学道具を使ったショートムービー。
久しぶりにブラザース・クエイの映像を見れて嬉しい気持ちもあるが、
今回の展示で見ることができたかわいいオブジェ達もいきいきと活躍しており完成度高し。
ステラーク「腕にある耳」
この作家以外に蛍光色に光るウサギを作ったという作家も紹介されていたが
発表時に論議をかもしたらしく記録のみ紹介されていた。
私も個人的には他者の命そのものを作品化するのはNGだと考えるが
傾向としては似ているものの、自らの腕に耳を培養するという
この体を張ったこの作家には一票入れてもいいかなと。
また、頭蓋骨を削って作るというタブローが紹介されていたが、
これは見ること自体が大変重く感じられるとともに、自分の中での位置付けに困っている。
-2010/2/28
森美術館
医学と芸術展
http://www.mori.art.museum/contents/medicine/index.html
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