2日目。
朝ごはん。名古屋のおにぎり屋さんで味噌カツおにぎりとお茶。
東岡崎では岡崎シビコの野村在の花火を使った箱作品と写真、その空間全体が静謐だった。
また、日曜美術館でやっていたせいか並んで入ったシュレヤス・カルレの作品も空間共々
(今にも壊れそうなビルだったが)奇妙で楽しめる作品となっていた。
クイズの謎解きのような見方をする観客が多かった。
昼ごはんは豊橋駅でチーズナポリタン。下に卵焼きが敷いてある。
豊橋公園ではアニマル・レリジョンのChicken Legzという作品を見る。
ものすごく高度な技は使ってないと思うのだが、演出と音楽が面白く、大いに楽しむ。結局1時間張り付きで見てしまう。
(別の公演だがこんなかんじhttps:/
公園でキャンプしながら推敲したらしい。
会場も大盛り上がりでアンコールの拍手が鳴っていたが、急いで水上ビル会場へ移動。
イグナス・クルングレヴィチュスのINTERROGATIONも人が並んでいた。
映像作品はあまり好きではないが一応見る。
そしたらすごい緊張感のある作品で驚いた。映像でこんなことができるんだ。
文字と単純な色面と音だけのつくりなのにも関わらず的確な心理描写が実現しており観る者に迫ってくる。
全部の作品を制覇したわけではないが、これがこの2日間のベストかもしれません。
絶対行くぞと誓っていた鳥の作品の作者はラウラ・リマ。というより鳥でした。
鳥のいる空間に身を置くというそれ自体に癒されました。
そうはいっても作品に生き物を持ち込むというのは非常にリスクがあるようだ。
終了後はこんな報告が↓
http://
夕ご飯。豊橋カレーうどん。カレーうどんの下にごはんとトロロがあるというもの。
トロロ、カレー負けし、あまり主張できず。主張されても困るかもしれんが。
今回のトリエンナーレは全体に素材にあまり手を加えない作品が多いのが特徴だったか?という印象。
庭園美術館ということもあり期待満々。オープンの翌日にいそいそと出かける。
しかし場所のせいもあるのか、いつものこちらを感情的に巻き込んでいく
ダイナミックな作品はなかった。
特に新館の展示。
南米で展示したというインスタレーションと
瀬戸内国際芸術祭の映像と砂丘に設置したインスタレーションの映像は
過去のアーカイブという印象は拭えなかった。
対して、朝香宮邸の作品は小さいながらも場所も楽しめ悪くなかった。
関口涼子の言葉を使った音声の作品は空間をより敏感に感じさせた点では興味深い。
しかし言葉による効果が大きく感じられ、それはボルタンスキーの作品なのか?という
疑問は残る。
影絵の作品は小さな監獄に自分が閉じ込められたような錯覚を抱かせる。
インタビューを見ると最近のボルタンスキーは作品の傾向を変えてきているようだ。
瀬戸内国際芸術祭の観客が5000円を払って風鈴を設置するなどは、自分の作品というよりは
作家は身を引き、人々の祈りの場所を作るという目的を持っているらしい。
しかし特定のアーティストの作品を期待している私としては
いささか異なる方向になってきているなという印象。
クリスチャン・ボルタンスキー
アニミタス-さざめく亡霊たち
2016年9月22日(木・祝)–12月25日(日)
会場:東京都庭園美術館(本館・新館ギャラリー1・2)
深夜1時頃、また雨が降った。
本来群れの生き物なのにドングリの木に一羽残してきたインコを不憫に思う。
4時半。鳥の目が覚める前に昨日の現場に行く。
インコが目覚めて呼び鳴きを始めた。同じ木だ。片割れを再び連れていく。
朝の散歩をする高齢の方々が何人も道端に留まっている私と片割れに興味を示し、状況を説明する。
「うちの十姉妹は1日食べなかったら死んじゃったよ」と言われる方もおり
ちょっと焦る(どういうつもりで言ったんだ)。
以前も食べないことがあり緑色便が出たのが2日目だったので
私の見積もりでは餓死するまで3日。まだ24時間も経っていない。
5時。仕事で家に戻っていた家人がやってくる。
私は持久戦を覚悟していたが、家人は木に登ると言う。
昨日は大雨で、登れる状態ではなかった。
そもそも登りやすい木でもなく人間が怪我するのも怖い。
補虫網事件もあり、鳥が再びパニックを起こすかもという意味で私の選択肢にはなかった。
しかし家人は私とは違う関係をインコと持っていることもあり、
任せることにする。
木に登った家人はインコに話しかけている。
少しすると餌をくれという。
もう少しすると袋をくれという。
さらに少し待つと今度は上から袋が帰ってくる。
中には、インコが入っている。
5時半。
家人の説明によれば
木に登って手で餌をやったところインコが手に降りてきて食べたという。
少し食べると枝に戻ってしまったらしいが
再び下りてきて手から食べ始めたため
その隙に袋を被せたとのこと。
2週間後、健康診断に連れて行き医師に報告すると「奇跡ですね」と言われる。
(自分でもそう思う)
経過を報告すると「執念ですね」とも言われる。
そして当該インコが卵をはらんでいることも告げられる。
受胎告知。
安全な環境に戻って発情したらしい。生き物の法則か。
会話ができたら発情相手は誰なのか聞いてみたいものだ。
只今抱卵中。
おわり。
逃げたインコは葉の密生したドングリの木の内側に
留まっていたためさほど濡れなかったようだが、
傍らにいる私と片割れインコはずぶぬれだ。
さすがに片割れも陽気に歌うことはなくなった。気の毒なので傘をさしてやる。
しばらくそのままで様子を見るがしびれをきらし
近所から脚立と一応補虫網を借りようとしたところ
貸し手のおじさんが補虫網で捕まえてやろうと張り切ってやってくる。
やめてください。
と言うのもはばかられるので黙ってみている。
棒状の枝に留まっている鳥に上から潰すような被せ方。まあ無理だろう。
最後は木を揺すって落とそうと試みる。
クワガタやカブトムシだったら落ちてくるかもしれないが。
怯えたインコは再び行方不明になる。
あとはこちらで何とかしますと帰ってもらうが
こんなに怖がらせてしまい、この先見つからなかったらどうしよう。
このまま死んだらどうしようとしばらく絶望する。
しかし再び呼び鳴きが始まる。3つ隣のドングリの木だ。
ようやく雨がやんでくる。
今度はかなり高いところにいる。
脚立に乗ってケージを高く掲げると、こっちを見ながらじりじりと下りてくる。
インコだって家に帰りたいのだ。
しかし先ほどのことで前よりも怯えているし、私が掲げた、ずぶぬれのケージに入る勇気はない。
困った困ったと思っているうちに日が暮れる。
鳥も目が見えないし、19時くらいまで粘ったが
私も鳥を視認できなくなったので
一旦撤退し翌日また捕獲を試みることにした。
ちなみに実家にインコを預けた理由は旅行に行くためだったがキャンセルとなる。
実家にインコを預けようと家人が車から降ろそうとしたところ、
ケージの留め金が外れインコが飛んで行ってしまったという。
その連絡を昼休みの職場で受けた瞬間、頭がひやっとする。
というのも逃げてしまったインコが戻る可能性はまずないからだ。
まして逃がした場所は自宅ですらない。
その旨家人に伝え電話を切ったものの、午後に休みを取り捜索する。
逃げたインコを探すために仕事を休む女…
現在2羽のインコを飼育しているがそれぞれ別のケージに入れている。
残った1羽は実家で、状況を理解していないのか、性格なのか、陽気に歌っていた。
逃げたインコは片割れを離すと呼び鳴きをするのでそいつを連れて捜索に出かける。
怖がりなので高いところにいるのではと思い、上を見ながら名前を呼び続ける。
2時間くらいうろついたが見当たらず、水分補給のために実家に戻る。
そして今度は窓から双眼鏡を使って探そうとすると鳴き声が聞こえる。
近くにいると見た。残った1羽を連れ空のケージを持って再び探しに戻る。
2羽の声質が似ているためどちらの声か分からないが確かに鳴き交わしているようである。
しばらく探すと実家から10メートルの下藪から呼んでいるのが発見される。
上かと思っていたらなんと下。これなら捉えるのも難しくないかもしれないと期待するが
なにせ藪なのでうまく誘導できない。ケージを持ってひたすら呼ぶ。逃げた方も躊躇している様子。
指に止まるかと手を藪に入れると再びびびって飛んで行ってしまう。その距離50メートル以上。そして見失う。
しかし今度は飛んだ方角が分かっている。
ケージを二つ持って向かっていくと再び呼び鳴きの声が。同時に大粒の雨が降ってくる。
すずく。
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