暑い。今日の予報では東京でも37度になる予定。
予報を見た時点で出かける気力すらわかない。
いつも使っている、水に浸して使う冷却ゲルスカーフでは用が足りないので保冷剤を手ぬぐいに入れて首に巻く。
また、4ヶ月前から同居を始めたセキセイインコのケージの上に保冷剤を並べて置いてみる。
インコ、午後になると効果に気付いたのか、保冷剤の下に来て昼寝をしている。
メゾン・エルメスで開催中のシガリット・ランダウ展は時々行く画廊さんにお勧めされた展示。
シガリット・ランダウはテルアビブに住むイスラエル人アーティストで、
2つのインスタレーションが展示されている。
[Out in the Thicket 茂みの中へ]
オリーブの収穫が機械で揺さぶることによってなされることは
「いのちの食べ方」を見て知っていたが
そのシーンがこのように見えるようになるとは思わなかった。
大スクリーンに映される、「揺さぶられるオリーブのたわわな木」は音声も相まってか
暴力的に揺さぶられる人間に見えて仕方がない。
勿論現実には「人間」が木を揺さぶっているのだが。
このような見せ方がよくできたものと感心する。
[Behold the Fire and the Wood 火と薪はあります]
もう一つのインスタレーションはイスラエル人家庭の室内。
手作りの料理を彷彿される事物や編み物が並び4人の女性の声が流されているが
人間は不在の空間。
「家庭」から入植や歴史に照射していき、
本来ならば手作りの暖かい家庭である場所から、
ある距離を持った目を発見することになる。
「ウルの牡山羊」 シガリット・ランダウ展
The Ram in the Thicket by Sigalit Landau
会期:2013年5月17日(金)~8月18日(日)
月~土曜11:00~20:00 (最終入場19:30) 日曜 11:00~19:00(最終入場18:30)
メゾンエルメス8階フォーラム
もろ好みの展覧会。
福田尚代は本の1ページに針で突いたような穴をあけ続ける新シリーズや
色鉛筆の芯を彫刻した小さなシードのような作品。やはり何かすごい。迫られるような感じ。
また池内晶子の赤い絹糸を使った作品は微風により見えたり、そこにあるはずの糸の気配だけ感じたりする
うっとりするような繊細さだった。
ミュゼ浜口陽三
秘密の湖 ~浜口陽三・池内晶子・福田尚代・三宅砂織~ 2013年5月18日(土)~8月11日(日)
http://www.yamasa.com/musee/exhibitions/20130518-0811/
ベーコンの生の絵画をまとめて見たのは生まれて初めて。
(過去に83年に近代美術館でやっていたようだがこの時はその存在を知らなかった)
点数はそう多くは無いけれど、網羅性があり、まずまず充実している印象。
私が気に入ったのは後期のピンクのシリーズなどよりも
初期(40-50年代)の犬の絵や教皇のシリーズなどの作品群。
筆致が生々しく、生の絵っていいね!ってかんじ。
ベーコンは正規の美術教育を受けていないということだが
すばらしいテクニックと、かつ美術史を意識した作品を展開を
楽しませてもらう。
また、土方巽の作品と、ペーター・ヴェルツとウィリアム・フォーサイスの共同作品
(後者はベーコンのオマージュか?かなり広いスペースを使った映像インスタレーション)の展示もあり
ベーコンの身体性の深さを垣間見ることができ、
(土方もフォーサイスも好きな私は)気の利いた展覧会だと思う。
フランシス・ベーコン展
2013.3.8-5.26東京国立近代美術館
2013.6.8-9.1 豊田市美術館
http://bacon.exhn.jp/exhibition/index.html
二人ともポルトガルのアーティストである。
ペドロ・コスタは映画監督。
とても良い。
特に廊下に並んでいる小さな火山の映像は、吸い込まれるようで、
映画作品に関わらずこの人の画面の繊細な作り方が好きなんだなあと思う。
小さな美術館のサンルームに置いてある作家のコンセプトのボードを読んでいても
素晴らしく、コンセプトを観客に静かに受け取って欲しいという美術館側の配慮も感じられる。
しかし12月のペドロコスタ週間に何故行かなかったんだろうなあ、私は…
後悔先に立たず
先月の話だが、3年に一度の大地の芸術祭に行ってきた。
今回はキナーレが美術館になったとか、
クリスチャン・ボルタンスキーが新しく作品を展示しているとか、
アン・ハミルトンが参加するとかで期待はそのあたりにあった。
キナーレの使い方は従来と大きく変わった印象はなかったが(?)
ボルタンスキーの作品はダイナミックで圧倒的。
これを見ただけで来た甲斐があったというものである。
キナーレの池部分を全て古着で埋め尽くし、古着で大きな山を作り、クレーンで古着を持ち上げて
落とすという動作を繰り返すというインスタレーション。
それを下から見ていると会場中に響き渡るドーンドーンという鼓動音や煙があいまって、
あたかも人々がクレーンで持ち上げられ落とされているシーンを
目の当たりにしてしまったような感覚に陥り、戦慄を覚える。
ハミルトン作品は古民家を楽器あそびに仕立てたものと、
登り窯の穴から100本程度のホースを引き、それぞれ吹くと異なる音が出るようにしたものを使った
イベント。これは閲覧者と地元のボランティアがコラボレイトしながら
夕暮れの迫った山の中でクラゲのような大きな落下傘と不思議な動きをする紙飛行機と
登り窯を使った笛、そしてふいごの音を使って幻想的な空間を作りあげるというものだが、
地元の人が参加するリハーサルの時から見ていたせいか、
その場を楽しむというよりは笛を吹きながら
「がんばれ、みんな!そこだ!いまだ!!」とかそんな気分になってしまった。
なお全般的には影を使った作品が流行ってる?という印象を持った。たまたま当たっただけかしら。
前回はユーホーズッキーニというものを買ってきたが
今回はさるなしというキウイの原種のような果物をおみやげにする。
小さくてかわいい上にとても美味い。惚れる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B7
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