ベーコンの生の絵画をまとめて見たのは生まれて初めて。
(過去に83年に近代美術館でやっていたようだがこの時はその存在を知らなかった)
点数はそう多くは無いけれど、網羅性があり、まずまず充実している印象。
私が気に入ったのは後期のピンクのシリーズなどよりも
初期(40-50年代)の犬の絵や教皇のシリーズなどの作品群。
筆致が生々しく、生の絵っていいね!ってかんじ。
ベーコンは正規の美術教育を受けていないということだが
すばらしいテクニックと、かつ美術史を意識した作品を展開を
楽しませてもらう。
また、土方巽の作品と、ペーター・ヴェルツとウィリアム・フォーサイスの共同作品
(後者はベーコンのオマージュか?かなり広いスペースを使った映像インスタレーション)の展示もあり
ベーコンの身体性の深さを垣間見ることができ、
(土方もフォーサイスも好きな私は)気の利いた展覧会だと思う。
フランシス・ベーコン展
2013.3.8-5.26東京国立近代美術館
2013.6.8-9.1 豊田市美術館
http://bacon.exhn.jp/exhibition/index.html
二人ともポルトガルのアーティストである。
ペドロ・コスタは映画監督。
とても良い。
特に廊下に並んでいる小さな火山の映像は、吸い込まれるようで、
映画作品に関わらずこの人の画面の繊細な作り方が好きなんだなあと思う。
小さな美術館のサンルームに置いてある作家のコンセプトのボードを読んでいても
素晴らしく、コンセプトを観客に静かに受け取って欲しいという美術館側の配慮も感じられる。
しかし12月のペドロコスタ週間に何故行かなかったんだろうなあ、私は…
後悔先に立たず
先月の話だが、3年に一度の大地の芸術祭に行ってきた。
今回はキナーレが美術館になったとか、
クリスチャン・ボルタンスキーが新しく作品を展示しているとか、
アン・ハミルトンが参加するとかで期待はそのあたりにあった。
キナーレの使い方は従来と大きく変わった印象はなかったが(?)
ボルタンスキーの作品はダイナミックで圧倒的。
これを見ただけで来た甲斐があったというものである。
キナーレの池部分を全て古着で埋め尽くし、古着で大きな山を作り、クレーンで古着を持ち上げて
落とすという動作を繰り返すというインスタレーション。
それを下から見ていると会場中に響き渡るドーンドーンという鼓動音や煙があいまって、
あたかも人々がクレーンで持ち上げられ落とされているシーンを
目の当たりにしてしまったような感覚に陥り、戦慄を覚える。
ハミルトン作品は古民家を楽器あそびに仕立てたものと、
登り窯の穴から100本程度のホースを引き、それぞれ吹くと異なる音が出るようにしたものを使った
イベント。これは閲覧者と地元のボランティアがコラボレイトしながら
夕暮れの迫った山の中でクラゲのような大きな落下傘と不思議な動きをする紙飛行機と
登り窯を使った笛、そしてふいごの音を使って幻想的な空間を作りあげるというものだが、
地元の人が参加するリハーサルの時から見ていたせいか、
その場を楽しむというよりは笛を吹きながら
「がんばれ、みんな!そこだ!いまだ!!」とかそんな気分になってしまった。
なお全般的には影を使った作品が流行ってる?という印象を持った。たまたま当たっただけかしら。
前回はユーホーズッキーニというものを買ってきたが
今回はさるなしというキウイの原種のような果物をおみやげにする。
小さくてかわいい上にとても美味い。惚れる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B7
朝日新聞の一面で故宮博物院から清明上河図という
「門外不出の幻の名画」がやってくるという記事を読み、張り切って東博へ出かけた。
着くと当作品を見るために入館まで30分、作品まではさらに2時間も待つという。
幻の威力おそるべし。
待ち時間を聞いただけでうんざりし(というか、待ち時間をプラスすると既にタイムアウト)
近くのSCAI THE BATH HOUSEヘシフトする。
この展示がとても良かった。
綿や針金やフェルトなどの物質に対する愛着が感じられる作品。
シュールレアリスムやボイスどを思い起こさせるような(門外漢の私だけかもしれないが)
レトロな雰囲気があり、茶目っ気もあり、その愛らしさに素直に喜ぶ。
土屋信子「宇宙11次元計画」
2011年11月18日(金) - 2012年1月28日(土)
http://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2011/11/nobuko_tsuchiya_we_are_living_in_a_time_machine/
表参道画廊で氏が企画された作家たちのグループ展となるが
福田尚代氏や高柳恵里氏の作品もあり、全体的に
小さいながらもレベルの高い、見ごたえのある内容であった。
自分が普段見に行っている作家が意外に多く参加しており、
氏の影響力が偲ばれる。
鷹見明彦追悼展
2011.10.31-11.12
表参道画廊
http://www.omotesando-garo.com/link.11/takami.html
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