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2009年5月5日に引越しました
Posted by tanakaakiko - 2024.06.02,Sun
第8回横浜トリエンナーレ。
今回のテーマは「野草:いま、ここで生きてる」
ディレクターはリウ・ディン(劉鼎)、キャロル・インホワ・ルー(盧迎華)。

日曜美術館のレポートを見て、ダイバーシティなイメージを抱いて来訪したが、そんなふわふわしたものではなく開催概要にあるように
「気候変動や戦争、不寛容や経済格差。私たちの暮らしを支えていた価値が、いま大きく揺らいでいます。」
という今まさに起こっている問題を目前に展開していく作品が多く、鑑賞者(私)の心も大きく揺らぐのだった。
コンセプトは2019年のあいちトリエンナーレに近いものもあるが今回のほうがずっと厳しい内容だ。外国人のディレクターを配置した甲斐だろうか。


私的には冒頭にあった志賀理江子の猟師のインタビュー作品が一番きつかった。
なぜ食べる目的もないのに生き物を無差別に大量殺りくしていかなければならないのか…
近年特に熊被害の報道も多いこともあり、しかし猟師の実態は報道されていないし
東北なんて比較的近い距離ということもあり、知らなかったと言う事の辛さ。
Bゼミの発足に関する展示も興味深かった。


横浜美術館内の展示内容は様々な場所や時代の環境問題や市民運動をテーマにしたものが多く
社会的なテーマが圧倒的に多い印象。
しかも、私が普段から触れなれていないテーマが多く情報量が多い。
(でも今回の内容を見た結果、私としては中国のディレクターに台湾やチベット問題も入れてほしいという期待は持った)
会場の構造が、最初と最後に同じテーマを配置することによって
回ってきた作品群を振り返るという斬新な設計になっているのはそのせいか。
とにかく絶対に復習が必要な内容。

ディレクターの以下のコメントと照らして魯迅の「野草」も読まないとだな。


「この野⼼的かつ勇気ある取り組みは、わたしたちにとって希望の光となりました。
なぜなら、その光は、パンデミック、気候変動、ナショナリズムや権威主義への傾倒、
ロシアによるウクライナ侵略、陰謀論の流布などがもたらした荒廃、絶望、
そして、深い危機感を背景に放たれていたからです。そこで、わたしたちは個々⼈の⼈間性、
それぞれの勇気、再⽣⼒、信念、そして連帯をあらわすテーマを考えるに⾄りました。」


横浜トリエンナーレ2024
2024年3月15日(金)– 6月9日(日)
https://www.yokohamatriennale.jp/
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Posted by tanakaakiko - 2024.04.29,Mon
今年1月に作家が逝去したということで
図らずも日本の美術館の初個展にして遺作展になってしまった。
ミニマルアートって単純な形の反復という印象を持っているのだが、
実際に見ると規則的に並べられたひとつひとつのパーツの個別性と
それらが連なる全体性を行き来しながら味わうという体験をする。


使われている素材が石や錆びた鉄、木という自然物としての個性が
際立つものが選ばれているということで、目が喜ぶ感触である。


アルミニウムでさえ、石や鉄などと同じ空間に置かれることで個別性を発揮できる。


今回は詩も紹介されていた。
アーティストとして著名になる以前の58~65年位に最も多く
執筆(というよりは制作)されたということで
実験的で規則的な詩の制作がその後のアート作品に
展開されていったことが想像される。
また、当時はステラのスタジオを借りて鉄道会社で働いていたということで
どのような状況にあってもアートを作り続けることはできるのだなと思う。

2024年3月9日(土) - 6月30日(日)
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間
Carl Andre "Between Sculpture and Poetry"
DIC川村記念美術館
https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition/
Posted by tanakaakiko - 2023.11.04,Sat
石川県珠洲市で開催される国際芸術祭。
ここは何と言っても土地が素晴らしく美しい。
そして確かに人々が優しいのだった。
おまけにご飯も美味い。

でも今年は5月に大きな地震があって死者も出た。
3年前に行った銭湯の展示も建物が崩れて無くなったらしい。
須須神社も被災していた。
地域の象徴的な神社なので
倒れた鳥居の映像がニュースで流れたときはショックだった。
まだ全ては修復できていない。

そんなわけで、芸術祭は開催が危ぶまれたらしく、会期も変更になった。
夜、レストランで食事をしたら、店の人が親切に
宿まで車を出してくれ、暗くなるとライトアップされる
ラックスメディアコレクティブの作品を廻ってくれた。

さわひらきの作品が印象的。
前回のインスタレーションに2階が増設されて
作品の中に入ったようなかんじ。
まもなく終了。是非。

奥能登国際芸術祭2023
2023/9/23-11/12
石川県珠洲市全域
Posted by tanakaakiko - 2023.11.04,Sat
大巻伸嗣、見始めたのは
東京ワンダーサイトの時から丁度20年位。
大地の芸術祭の「影向の家」が一番印象に残っている。
色々な素材や作品の方向性を表すことのできる作家だと思っているが
最近の印象では光の意識が高い人というかんじ。
メディアで取り上げられることの多いのは
資生堂などで発表していた
花や鳥が象られた顔料を床に敷き詰めた作品だが、
実際に足を運んでみると明るくとても華やかな作品のため、
来場者がきゃっきゃと写真を撮りながら
歩いていることが多く、受け取られ方が微妙と思うのだった。

展示はなんとアドミッションフリー。
この度はモノクロのインスタレーションと初めて見る映像作品だった。
黒の作品は夜、船に乗って波を覗いているよう。
「影向の家」もそうだったがいつまでも見ていたい。
音の影響もあってインスタレーションに呑み込まれるような印象だった。

今回はトークイベントもあり関口涼子さんとの対談だった。
話を聞いてみると意外と大技で展覧会をまとめ上げる人なんだと驚く。
そして何といっても新しい映像作品も含め、作家のコンセプトが直に聞けてよかった。

大巻伸嗣 Interface of Being 真空のゆらぎ
2023年11月 1日(水) ~ 2023年12月25日(月)
国立新美術館
Posted by tanakaakiko - 2023.11.04,Sat
15年ほど前に直島に行き、家プロジェクトを廻った。
内藤礼の「このことを」も訪れたが完全予約制とのことで
見ることができなかった。
当時、事前予約制でアートを見るという習慣はなく、
折角直島まで来たのに呆然と「きんざ」の前に立ち尽くしたのだった。


内藤礼と言えば1991年の佐賀町エキジビット・スペース「地上にひとつの場所を」でも
見られなかったという記憶があり、絶対見たいという執念に似た思いがあった。


豊島美術館は13年前に建設された、作品と建物が一体となっている美術館だが、出来た当時は混んでいた。
日曜美術館でも紹介され、衝動的に行きたくなったが
予約制のため行ってもどうせ入れないのだった。
さらに瀬戸内国際芸術祭の期間中は混んでいてとても見られないという印象があり
そうこうしているうちに13年も経ってしまった。


今年は瀬戸内国際芸術祭もないしそろそろいいだろうと9月末に行ってきた。
直島の家プロジェクトも無事予約済。
豊島の港で自転車を借り、
原田泰治の絵に出てくるような棚田(美術館の建設に合わせ復興したらしい)
と海を横に見ながら風を切ってとうとう辿り着く。
行ってみて、本当に良かった…
内藤礼の作品は基本的に五感が研ぎすまされるものが多いが
この作品は最たるものかなという印象。


今までの閉ざされた室内の作品では井戸の中を覗くような
暗闇に目を慣らし乍ら自分自身を見つめるような感覚があるが
豊島美術館「母型」では屋外に繋がっており、外部の環境が作品に深い影響を及ぼしている。
建物の構造もその通りだが内と外を同時に感じることが出来る作品。
別な季節や天気の時はどのように感じるのだろうか。
また訪れたい。
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