2009年5月5日に引越しました
Posted by tanakaakiko - 2022.09.13,Tue
さて、引き戸を開けて入ると、雑然とした玄関には
「ご用の方は押してください。スタッフが参りますので到着まで5分程お待ちください」というような
記述とチャイムが据えてある。
怯えた友人を連れているのでちょっと迷った。が押してみる。
押してからしばらく待つ。
この間にまだ引き返せるという考えが頭をよぎる。
湖の方から車がやってきて静かな感じの男女が降りてくる。
本館から入り、少し経つと遂に美術館の扉が開く。
電気を付けてくれ、入場料を払って入ると
「雨漏りがするのでバケツを置いています。気を付けてみてください」
と注意を受ける。
ペインティングには雨防止のためかビニールシートがかけてある。
等身大に近いテラコッタや数メートルのゴンド画、ミティラー画がそこかしこに置いてある。
大きく、洗練されたコスモロジーの作品に囲まれる。
素晴らしい作品群。
ここは廃校になった小学校の体育館に当たるところで
小学校本館にもワークショップの部屋があり、
そこにも2メートル位のワルリー画が展示されている。
恐らく泥絵の具?シンプルで繊細な線やモチーフに惹きつけられる。
オリジナルペインティングの販売もあり(とても安い)何枚か買う。
中越地震では多くのテラコッタが被災したように書いてあり、
一時期休館を余儀なくされたようだ。
建物も壊れかかっており、ぎりぎりのところで持ちこたえている美術館なのだった。
しかし所蔵作品は素晴らしく、昨年は渋谷のたばこと塩の博物館で、
今年は和歌山県立美術館で貸出しをしている。
帰って調べてみたら夢枕獏の「上弦の月を喰べる獅子」はミティラー美術館で見た
このタイトルの絵から付けられたようだ。
「来てよかったね~!」と帰りは美しい湖で写真をパシャパシャと撮ってはしゃぐ。
ホームページを見ると「最大の展示物は闇夜の月」とある。
暗い湖の上にかかる月はさぞ圧巻であろう。
(でも慣れない砂利道を運転して帰る自信がない)
また訪れたい。
ミティラー美術館
http://www.mithila-museum.com/
https://mithila-museum-shop.square.site/?yclid=YSS.EAIaIQobChMI7bWKjZ6J-gIV18CWCh3kAAJ2EAAYAiAAEgKGh_D_BwE
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Posted by tanakaakiko - 2022.09.10,Sat
今年の越後妻有 大地の芸術祭は
いつもよりも心の余裕を持って廻った。
そのため4時30分にその日の目的の作品を見終わったとき、
残りの30分で芸術祭の作品ではなく、
18時終了のミティラー美術館に足をのばそうと
思いたったのだった。
ミティラー画といえば2017年に板橋区立美術館の
「世界を変える美しい本インド・タラブックスの挑戦」でも
紹介されていた、庶民の女性の間で受け継がれている絵画。
コレクションがあるなら是非見ておきたい。
美術館へ向かう山道を走るのは私たちくらい。
この地での生誕100年を記念する石碑が複数個所に現れる。
誰の生誕なのか分からない(のが怖い)。
また途中で舗装道ではなくなった。
ドライバー役の友人が「本当にこの道で良いの?」と聞いてくる。
もちろん地図通り進んでいる。
ニホンカモシカが現れた。
大きめの野犬かと思った。初めて野生のニホンカモシカに会う。
この出会いだけでもすごい。
そしてついに美しい湖が現れた。この湖のほとりにあるはず。
あった。確かに。
ボロボロの木造の建物が。
手作り感満載の木の看板がかかっている。
後部座席に座っていた友人が「怖い」と言いだす。
「あたし行かない」。
ドライバー友人も「うーん、
チェーンソーの出てくるホラー映画のようだね」
そういわれると注文の多い料理店くらいには思えてくるのだった。
つづく
Posted by tanakaakiko - 2022.09.08,Thu
本来なら去年開催されるはずだったが、コロナ禍のため、今年に延期。
また会期も春から秋と大幅に長くなり、火曜日水曜日は休みとなった。
パスポートの値段も上がっている。
まあしょうがないよね。
私にとっては多分7回目になる越後妻有。
代表的な恒久作品は見たと思うので今年は新作中心で一泊で回ることにする。
でも新作だけで100点以上あるので、とても廻りきれるものではない。
車じゃないと廻れないので時間がかかる。
ドライブしながら地域を楽しむことがメイン。
全作品踏破はとうに諦めている。
とはいえ早朝から起きて17時まで二日間見倒す。
ボルタンスキーの日本での遺作も見たが、基本的には庭園美術館での展示と変わらず。
ウクライナ戦争の影響でカバコフ夫妻の作品がフィーチャーされた印象。
エカテリーナ・ムロムツェワの参加も今年になって決まった。
・中谷ミチコ
去年も珠洲市の国際展で見たが、そのときの作品は内容は良かったものの印象には残らず。
今回の作品たちはとても良かった。かわいいし、胸に迫るものもある。彫刻的な挑戦もある。
気に入った人はきっと多いはず。
・エカテリーナ・ムロムツェワ
今年の瀬戸内国際芸術祭とアーフロントギャラリーでも展示している。
戦う女性や市民を表した水彩画。
水彩がこのような力を持つとは思わなかった。
・パレス黒倉 藤堂
積層ガラスの静かな美しい作品。
風景を透かしてみたり、映し込んだり、置かれた地域と調和する。
大地の芸術祭 越後妻有2022
2022年4月29日(金祝)~ 11月13日(日)全145日間(火・水曜休み)
https://www.echigo-tsumari.jp/triennale/y2022/
Posted by tanakaakiko - 2022.09.04,Sun
2019年に「表現の不自由展」で物議をかもした
「あいちアートトリエンナーレ」テーマは「情の時代」。
まさに政府の琴線に触れたとも言える。
まだ見られていないのが非常に残念。
「不自由展」以外の展示は良い内容だったと思う。
3年後の今年、名称も「あいち2022」と新たに再び開催。
テーマも「STILL ALIVE」。
ディレクターの座にも片岡真実を据え、同じ轍は踏まないぞという
主催者の強い意志が感じられる。
アーティストも大物揃い。
だがメイン会場では特に、物故の大物を揃えていたので
何故今、河原温や荒川修作にこれだけのスペースを割く必要があるのか?
という印象もぬぐえない。ライヒやケージもそうだけど。
(でも私はライヒのコンサートを見たくて初日に行ってしまった)
全体では作品は展示の質も良く見応えのある展覧会になっていたと思う。
別会場も、特に街全体が元々アートの様相の常滑市は新鮮だった。
迷路のような窯業の街そのものを楽しみ、何度か道を尋ね乍らそぞろ歩く。
土管の窯を展示しているINAXミュージアムも行ってよかった。
土管って窯で焼いていたんだね。
印象に残った作品
・ローリー・アンダーソン & 黄心健(ホアン・シンチェン)『トゥー・ザ・ムーン』
久しぶりに見たローリー・アンダーソン。前に見たのは2005年のICC。
やはり魅せる。月のインスタレーションの中にいつまでも居たい。
台湾のアーティストとのコラボで東洋的なファンタジーも感じる。
・岸本 清子
荒川修作世代だそうだが、初めて見る。溢れんばかりのパワーの戦う猫の絵などが圧巻
・カズ・オオシロ
初め、どんなインスタレーションか分からずに見ていたが
キャプションを読み、全てキャンバスと絵画で出来ているいうことに驚く。
・黒田 大スケ
架空の巨匠達のインタビュー。松の木や猫や蛇が喋る。
初め下手なCGかなんかと思って素通りしそうになったが、良く見ると
とてもアナログな手法で撮影されており、窯のある工場跡の中、一人見入る。
楽しんだが政治性の強い作品や作家は慎重に遠ざけられたように感じられた。
前回は自分の喉元に突きつけて来るような作品との出会いがあった。
それらには私たちの日常生活での感じ方、
過ごし方にも鋭く問いかけてくる切迫感があり、時には辛く思うこともあったが
その欠落については残念に思う。
国際芸術祭「あいち2022」
2022年07月30日 ~ 2022年10月10日
https://aichitriennale.jp/index.html
表現の不自由展
https://fujiyuten.com/
Posted by tanakaakiko - 2022.06.24,Fri
今週は毎日のように職場で事件が発生した。
私には職員の人数を最大限確保する必要があると思われ、
今年度は休み取れないかもなあ、とげんなりしたけど
気を取り直して仕事帰りにリヒターを見に行く。
金曜日の夜間展示だったが、人が多い。日本でも人気者なのだ。
今まで散発的にしか見ていなかっただけに
今回のように網羅的に作品を見られると圧巻。
特にビルケナウを見られたのは良かった。
この作品を制作後、もうアブストラクトペインティングは描かないと言ったとのこと。
テーマの重さを伺い知れる抽象絵画もさることながら
(とはいえ小屋の中からゾンダーコマンダーが隠し撮りしたと言われている
死体処理の写真も同時に展示している)
対面にビルケナウの写真バージョンを配置する、
90度の角度でほぼ鏡面となるグレイペインティングを配置するなど
この絵をこの配置で展示する余裕がすごい。
技術的にはこの中の一つでも描けたらなあと思う絵もあったが
何よりも優れていると思ったのは主体と客体を行き来しながら
鑑賞者を次第にテーマに導いていく作家の力量にあると思われた。
2022.6.7 - 10.2
ゲルハルト・リヒター展
国立近代美術館
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/gerhardrichter/
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