柿落としは所蔵作品の速水御舟展!ポスターは「炎舞」!
てことで新しく生まれかわったと主張する山種美術館へIと共に偵察に出掛ける。
平日昼間だというのに混んでおり
推定65歳以上の人々が会場を埋め尽くしていた。
賑わっている山種美術館を見たのは生まれて初めて。
いつもの閑散とした美術館を想定していたのか館の設計は全体に狭い。
また、重要文化財を持っているせいか、展示会場が地下にあり閉塞感がある。
つまり地下の狭い部屋で高齢者とぎゅうづめになって御舟を見たわけだ。
うーん、展示作品は良かったが(特に「春昼」を見れたのは収穫)ストレスのたまる展覧会だ。
流行らなくなったらまた来てみようというかんじ。
動物愛好家Iの御舟の感想は「動物の目が死んでいる」とのことだった。
うんそうだね。
素材に「闇」などが記載されていたりする、とてもリリカルな立体作品。
暗闇の室内でドローイングができるという体験ルームがあり、人がいないので気まぐれに入る。
その中で鳩と魚などを描いてみるが「鳩と魚を描く自分はなんなんだ」と出てから思い、持ち帰りを拒否。
ちなみに同じような状態で作者の描いたドローイングはやはりアブストラクトで作品としてちゃんと立っている。
世代的なものを感じるのは「生命」をテーマにしたときに出てくるネタとして
「種」や「核」が挙がるところなど。
私も当時チェルノブイリの放射能入り雨を浴びたのに
(日本でも雨傘戒厳令が敷かれたのにどしゃぶりの雨にあたってしまい、
通りがかりの見知らぬおばさんに傘に入れてもらったことがある。感謝)
「核」のことなど忘れ去っていたよ。
これからますます流行る傾向にあるのに何故かブームを終えたかに見える原発問題。
このように社会と体感と想像力を織り交ぜた展示内容なのである。
この企画は近美が数年かけて実現したという噂をとあるギャラリーで小耳に挟む。
入場料も通常より安い850円を設定。
地味ながら常設展示も見ることができ、
近代美術館らしいしっとり感のある現代美術企画。
~12月13日(日)
東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/Honkan/kawaguchi_tatsuo/index.html#detail
行政刷新会議にて以下の芸術文化予算の削減が結論されたようです。
芸術家の国際交流:予算要求の縮減
伝統文化子ども教室、学校への芸術家派遣、
コミュニケーション教育拠点形成:国の事業として行わない
「行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください」
とのことなので皆様是非ご意見を。12月15日までだそうです。
http://
ちなみに私が送ったのがこれ↓
(他の美術家が送った内容をちょろ聴きしていたので内容が被らないようにちょっと偏って書いていますが…)
削減はともかく、そもそも政治家として文化芸術をどうしていきたいのか考えているの?
というのが趣旨なんだが。
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日本では商業芸術の対象にならない現代美術や身体芸術、伝統芸術の作家、音楽家が多くおります。
特に現代芸術においては企業がスポンサーにつくことも無く、ジャンルも曖昧なため
成果を図るのに賞や儲けや一般への知名度を基準にするのにはそもそも無理があると思います。
ただし、このような現状を踏まえて、文化庁が「成果」確認する方法や「質」を見極める方法を
専門家と決めていく必要はあると思います。
しかし芸術支援とは、お金儲けや有名人を作るためのものなのでしょうか。
事業仕分けで「役に立っているのか」というのは「何の」という点が非常に曖昧な気がしました。
私は、議論以前に、皆さんが芸術や芸術家の定義や国際交流の目的を共有しておくことや、
日本にとっての芸術をどのようなものにしていきたいか、というイメージを各人に持っていただくことのほうが
より重要なのではないかと思いました。
例えばニューヨーク市では芸術家の定義を以下のように挙げています。
※「ニューヨーク―芸術家と共存する街」より
1.商業的芸術ではなく、純粋芸術 ーすなわち絵画、彫刻、振付、映像、作曲等
その他を含むものの創作を不断に進行させている個人。
2.自己の表現形態に真剣かつ不断に傾倒してきたことを証明できる個人。
3.現時点でも、その表現形態に専心、従事している個人。
文化は国のアイデンティティである思います。
アメリカはかつて、アメリカンアートを旗印にして欧州からアート市場を奪い、
いまや世界一のアート市場を形成しています。
当然ですがこれは作家個人の仕事ではなく、アメリカの文化庁に相当する部門が
仕組んで行ったいわば国策です。
フランスもまた、国外の優秀なアーティストを保護することにより文化大国として成功しました。
芸術の分野では作家がアルバイトをしながら手弁当で維持、発展させているのが現状です。
個人の力で国外に出て、国際的なレベルでの競争力をつけることなど出来る状態にありません。
このような意味において文化庁の在外派遣は貴重な制度として機能していると思います。
科学技術同様、日本の芸術文化には素晴らしいものがまだまだあります。
この行政刷新会議の向こうに一体どのような日本のアイデンティティを形成していきたいのか、
今一度お考えいただきたいと願います。
FOILでこの度刊行した写真本「HOUSE」の展覧会。
建築&風景の写真なのだがモチーフを選ぶ視点が魅力的。
かつてそこで生活した人間の時間を偲ばせる。
不在となった現在の建築物の姿(砂に埋まっていく、あるいは鳥だけが住んでいる)が美しい。
- 11月2日(月)
FOIL gallery
http://www.foiltokyo.com/gallery/exhibitions.html
ゴミを再生する、といえば思いつくのはリサイクルだが、「再生」といいたくなる。
しかしアルテポーヴェラってこういうのがホントなんじゃ。って思うね。
発砲スチロールの壊れた箱や駅弁の紙箱やDMになっているのは箪笥だが
生活のなかで打ち捨てられた者たちを別な発砲スチロールとか石膏とか、紙箱を使って
パッケージを絵の具で書き足して「再生」する。
客観的に見ると「修復」と言うのが適当だが、狙っているのは修復じゃないんだな。
見ていると「ブラックジャックみたい!」とどきどきわくわくする。
~ 2009年10月31日
ギャラリー現
http://www.jpartmuseum.com/jam_live/g_gen212/
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