見たことにない作家で、気になっていたが、老婆に翻弄されているうちに時は過ぎ、
今日たまたま最終日であることに気付き原美術館へ。
とても混んでいたのは最終日なのとクリスマスイブだからであろう。
カップル多し。
狭い会場で混んでいるため、とても観辛く、ギャラリーガイドが始まると部屋に人が満杯になってしまったので
恐れをなして30分程度で帰ってしまったが、
ストレスの中にも光の当て方や、開放的な映像の内容のため、気持ち良い展示に思われた。
コインを入れる穴が壁に空いている作品には、コインを入れた者だけが発見できる映像作品があったりして
雰囲気だけに流されない作り込みもあり、楽しむ。
他の作品も見てみたい作家。
リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」
2018年9月16日〜12月24日
原美術館
画集でしか見たことがなかった
ゴードン・マッタ=クラークの展覧会だ。
ダイナミックな仕事に驚く。
発想もダイナミックだが、建物をカットして換骨奪胎するってやっぱりすごい。
そのパワーと身体性に圧倒される。
体を使う気持ちよさと力強さにあふれる展示。
ゴードン・マッタ=クラーク展
2018.6.19 - 9.17
国立近代美術館
なんだか良くわからないけどこういう
少しとぼけた断片的で触覚的な作品は脳の裏側を
くすぐられて良い気分にさせられてしまう。
学生時代の恩師の研究室に行ったとき、台湾の留学生から貰ったという
凍頂烏龍茶を煎れて下さり、
「この香りをかぐと頭のてっぺんがもにょっとするんです」と
仰っていたが、そのようなかんじ。
土屋信子 「30 Ways To Go To The Moon」
SCAI THE BATHHOUSE
2018年5月29日(火)-7月14日(土)
https://www.art-it.asia/top/admin_ed_pics/184056
古い西洋絵画の静物画をモチーフにした映像作品。
花や果物が皿に美しく器に飾られた映像で
それ自体がとても綺麗なもの楽しめるが
見ていると徐々に枯れていく、腐っていくなどの変化を遂げる。
数か月かけて撮影しているものもあるらしい。
映像作品の強みを活かした作品であるが
当時の静物画自体のコンセプトが、去りゆく美や生命であることを考えると
見応えはあるが同じ内容を分かりやすく再制作したものともとれる。
モノクロ画像の破壊されるテーブルの映像作品や西洋肖像画作品も
ビル・ヴィオラの作品を思い起こす。
本人が集めてきたモチーフを静物画風に撮ったものについては
その発想を楽しむことができた。
小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮
2018/6/16-9/2
原美術館
久しぶりに行く板橋区立美術館である。
前回行ったのが「種村季弘の眼 迷宮の美術家たち」展だったので
実に3年ぶりである。
しかしここは実に興味深い企画をしてくれるところだなとしみじみ思う。
南インドでの女性を中心とした小さな出版社が出している本の紹介だが
紙、印刷、製本すべて手作りの出版社なのだ。
説明をちらっと聞いた限りでは
インドでは子供向けの本があまりなくそのために立ち上げた出版社のよう。
膨大な時間をかけて生み出されている本たちが、すばらしい。
描かれたイラストの絵もインドの地方の伝統的意匠を基にしているもので
私たちが持ちえないその発想にも驚かされるが、
手刷りのシルクスクリーンが「物としての本」を力強くして
引き込まれる。
オフセット印刷版も販売しているがオリジナルと比較してみると
その違いは明白である。
世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦
板橋区立美術館
2017年11月25日(土)〜2018年1月8日(月・祝)
http://www.itabashiartmuseum.jp/exhibition/2017-exhibition/ex171125.html
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